むつき庵の勉強コーナー
日常、ほとんどの人はあたりまえのように排泄のコントロールができ,排泄に関してあまり考えることはないでしょう。しかし,ひとたびコントロールのバランスが崩れたときには大変な状態を引き起こします。その対処に悩み,1人でかかえ込むことも少なくありません。そして,本人はもちろん家族や周囲の人たちを巻き込むことにもなりえます。この問題を解決していくために,いま、排泄ケアについて各方面で注目されています。
今回は、排泄ケアについての人体の解剖について勉強をしてみましょう。
(伊神 敬人:敬称略)
排尿のしくみ
尿路の解剖
1.上部尿路
尿は、両側の腰背部にある腎臓で作られ、左右それぞれの尿管を通って膀胱に集まる。尿意を感じて排尿を行う時には、尿意括約筋が緩んで尿道を通って尿が排出される。
腎臓は、腰背部に一対ある握り拳ほどの大きさの臓器で、血液を濾過して尿を生成している。尿は、通常1日に1000~1500ml程作られる。体調や体格によって変動があり、また腎臓にはホルモンの分泌、血圧の調整などの働きもある。
尿には水,不要なミネラル,老廃物,代謝物などが含まれており,体内における主要な排泄経路となっています.腎臓でつくられた尿は腎盂で集められ,尿管を通り膀胱にたまります。
図1

2.下部尿路
膀胱は自分の意志では働かない平滑筋でできた尿を貯める働きをする袋状の臓器で、通常は、300~500mlの尿を貯めることができ、尿を貯めていく間(蓄尿)、膀胱の筋肉は弛緩して(緩んで)、膀胱の中は低い圧力に保たれている。尿がもれないように尿道を閉める役割を果たす、外尿道括約筋と内尿道括約筋がある。
(1)男性の下部尿路
男性の尿道は約20cmで、その起始部には、尿道を取り囲むように前立腺はあり、前立腺は男性に特有の臓器で精液の一部を作っている。これが大きくなると前立腺肥大となり排尿障害の原因となる場合がある。
男性では排出障害の症状が現れやすく,頻尿・排尿困難などの症状や,悪化すると腎機能の低下などによる生命機能の危機をもたらすこともあります.
(2)女性の下部尿路
女性の尿路は約5cmで、男性に比べると短く可動性に富む。骨盤の底にハンモック状に広がる筋肉群を骨盤底筋群といい、膀胱、子宮、直腸などの骨盤内臓器を支えている。出産や加齢に伴い、この骨盤底筋群が緩むと膀胱や尿道が下降して、腹圧性尿失禁の原因となる。

引用・参考文献 月刊ナーシング Vol.26 No.6 2006.5
(3)男性と女性の解剖学的な差
男性では、尿道が長い・尿道は前立腺の中を通る・外尿道括約筋が強い、ということで、尿道抵抗が強く、尿は漏れにくい構造になっている。しかし、逆に尿排出障害は起こりやすい構造といえる。逆に女性では、尿道が短い・尿道が下へ向かってまっすぐの方向に走る・前立腺がない・外尿道括約筋が弱い・膀胱下垂が起こりやすい、などの特徴により尿排出障害は起こりにくいが、尿が漏れやすい構造になっているといえる。








